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感想の第1歩 [紅楼夢]

紅楼夢の映像も1987版そして2010版を
何度も見返しています。まあ林妹妹は87版が
決定版なのである意味しょうがないのですが、
映像の見やすさから、当初自分が思ったより、
2010版を結構多く見ています。

確かに宝玉は重要ですが、物語はあくまで
「金陵十二釵」で筆頭2人の女性をいかに
とらえるかしかないと私自身思いつつあります。
ここをどう捉えるかでほかの女性はもちろん、
宝玉も大きくとらえ方が変わるのでしょう。
紅迷の偉大な先達があまたいらっしゃるので、
あくまで自分の楽しみの範囲でですが。

これは、まさに「1次元」アイドルオタ全開だ。
更に、体制への(社会)アンチ部分も含むから
取り扱いは難しいということもあるでしょうが。

皆さんがおっしゃるとおり、黛玉と宝釵の二人が
元々一人だったという見識は重要だと思います。

でもその前に単なるアイドルオタとして感じるままに。

(1)林黛玉
彼女自身を考察する前に、そもそも一般の
男性にとって、究極の女性とは何だろうか。
「処女(清浄)」「高嶺(高貴)」「美貌(不老)」
はたまた「豊穣(性的魅力)」「平癒(母性)」
「品格(教養)」「知性(能力)」でしょうか。
永遠のアイドル像は古今数千年変わらない
絶対的な矛盾を内包しているということ。

自分のものにしたいのに、まあトイレにすら
行かないだの、おかしいちゃありゃしない。
女性である以上、子孫を紡ぐために男より
よっぽど泥臭いことをしないといけないのに。

そうなるとヒロインは老化前に(所帯染みる前に)
消滅しないと、そりゃ物語の佳人は早逝するよ。
こりゃ、皆、癪もちにならざるをえない(苦笑)

その上半身部分(空想(理想・妄想)部分)と
現実の女性の魅力を下半身部分(実部分)と
すると林妹妹は上半身を薛宝釵は実部分を
象徴させたんだろうと想像できる。が、実際
現実の女性はそんなに簡単にはいかないし、
生身の人間なのだから。本当なら当初は理想の
女性を一人で描くことを求めたのだろうが、
書くほどに乖離せざるをえなかったんだろう。

今だって、アイドルのスキャンダルは非現実的
健康的で魅力的な女性ではあり得ない前提。

1)清浄「処女」
これじゃ結婚もできないし、子宝にも恵まれない
封建制の社会では用無しの女性の一番手だ。
2)高嶺「高貴」
当然、貴賤でいうと貴族のほうが圧倒的少数派。
高貴な女性を求める庶民の男は圧倒的に多数。
ただ姉妹の序列がはっきりしていると、神秘性が
薄まるし、現実的すぎる。結果、外孫という絶妙
な血縁関係となったのだろう。
ここで
爵位(世襲)と科挙(競争)そして富貴(財産)
・父は侯爵世襲の家格(しかも特別に延長の過去)
・父親が科挙(探花)合格の秀才であること。
・母親は元老(世襲将軍主席)の家格(首都の富豪)
・母親はそこの末っ子、兄弟には出世頭で能力の
秀でた次兄を持つ、超お嬢様で病弱ときたもんだ。
黛玉が母から聞いた話なんて、自慢話でしかなく、
娘にお稽古事も満載で、母親が逝去すると、黛玉
の周りが、そのしつけを心配するなんて、黛玉も
そうだが、黛玉の母もどれだけお稽古事を娘時代に
させられていたことか、祖母(史太君)の寵愛を一番
受けていた(そのため黛玉も席次が高かった)のだから。
祖父も学問を好んだことから(政が覚えめでたい)
相手も林如海だったんだろうと容易に推測される。
女性なのになまじ学があり(生意気で、扱いにくい)
金だけではなく気も遣わないと、成り立たない
まったく、手がかかる女ですからね、この親子。
3)美貌「不老」
美貌となれば4大美人となるが、そう傾国の美女
そのなかでも「西施」こそ、その後数多出現した
歴史的な美女を、ことごとく返り討ちにしてきた。
「顰顰」の字を態々、宝玉につけさせたことは
特別であり、その美貌を散らすのはただ一つ、
生老病死のうちで「病・死」しかないことに。
けがはダメ(醜い)、病気も選ぶことになる。
薬代はかかるは、無理は絶対にさせられない、
もち、侍女を雇わないといけないし、まったく
金がかかる。

これらは、まったく一族の繁栄にならないことばかり

これだけの娘を面倒見れるのは、どれだけ相手の
男に器量があるかという・・・そう自慢のみだ。

しかも、出てくる女性はすべて仙女であり、林妹妹は
特に仙草(绛珠仙草)の耳目と判明している。

まさに究極のアイドル像であろう(究極に非現実的)。

でも男の欲望を達成するには、別のターゲットを設定
する必要がある。性的欲望(衝動)の直接の相手、
家庭や一族の安定、そう母を求める心、より直接的な
欲望(例えばアイドルでもグラビアアイドルやAVだな)
年上の女性への圧倒的な甘え(雲雨の教えを受ける
物語や映画など、ありすぎてよくわかないぐらい普遍の
テーマだ)このターゲットこそ薛宝釵(彼女一人で大体
受け止めてしまっているが)を初めとする、続く残りの
金陵十二釵の女性たちとなろう。

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※これは物語的には絶対にない組み合わせ
でも、ある意味、最強の組み合わせですよね
こう見ると合っているんだよなあ成長前後では
(林黛玉そろい踏み)
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